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忙しさにかまけて庭の手入れを怠っていたら、いつのまにかイヌホオズキ(Solanum nigrum)が生えてきました。
道端や空き地など、どこにでも見かける植物なので、名前は知らなくても目にしたことのある方は多いと思います。
庭に生えれば普通は雑草として抜いてしまうところですが、よく見ると植物図鑑に載る“典型的な横ひろがり”の姿がとても美しく、そのまま生えるに任せて鑑賞しています。
家族にはなかなか理解されませんが(^-^;
それでもこの植物、昔は薬草として人の役に立ってきた歴史があります。
そんな背景を学ぶと、どこか品のある佇まいに見えてくるから不思議です。
今日は、よく手入れされた盆栽にも匹敵する(と私が勝手に思っている)我が家のイヌホオズキについて、少しご紹介したいと思います。
全体
▼根元からよく枝分かれして横に広がる姿をしています。この姿がなんともクール。

茎は暗紫色を帯びることも多いですが、我が家のは今のところ緑色。高さ約50cm。
ちなみに、よく比較される近縁種にアメリカイヌホオズキ(S. alatum)とテルミイヌホオズキ(S.americanum)があります。
葉
▼イヌホオズキの葉はふつう互生しますが、葉腋から側枝が出るため、本葉のすぐ横に若い葉や小さな苞葉が現れ、対生に見えることがあります。出て間もない葉は節間が狭く、この現象がより目立ちます。

▼葉身は広い卵形で、縁はほぼ全縁か波状、基部は狭くなって葉柄に流れ、葉先はやや尖ります。葉柄の基部に小さな苞葉がつくこともあります。

花・果実
▼花は白く、やや下向きに開き、花冠は5裂して次第に反り返ります。中央の黄色い葯が突き出てよく目立つのも特徴です。

▼葉腋の上の方に花序を出します。というか、花茎が出たすぐ上あたりから葉が出るというか。実を結ぶ頃には節間の中ほど~上部寄りにつくようです。

▼1か所からまとまって房のように花茎が出ているように見えますが、よく見ると短い花序軸にそれぞれの花柄がやや位置をずらしてついているのがわかります。

▼果実は球形~縦長の球形で光沢は近縁種の中では比較的鈍いとされます。熟すと黒くなり、萼片が反り返ります。

ちなみに帰化植物のアメリカイヌホオズキやテルミイヌホオズキは、
- 花冠や葯がやや小さい(アメリカ-は淡紫色を帯びる)
- アメリカ-は果実につく萼片はほぼ密着
- アメリカ-、テルミ-ともに果実表面に強い光沢がある
などの特徴から区別できます。
雑草というなかれ
今まで気にも留めなかった植物が、学習後に気になってしょうがなくなることはよくあります。
イヌホオズキもその一つ。
専ら外用で用いられる薬草ですが、毒性もあり注意も必要です。
皆さまも、雑草と片付けてしまう前に一度じっくり観察してみてはいかがでしょうか?
薬効や使用法など、より詳細な情報は6月発売の『ひむか薬草ガイドブック』のイヌホオズキの項(p.49)をご参照ください。巻末の植物用語解説も充実しています(^▽^)/
本日の一首。
雑草と
さげすむなかれ
凛として
横に広がる
枝葉すずしき
みちを


