みちをブログへご訪問いただきありがとうございます。m(__)m
以前から交流のある、日向市某所にお住いの薬草愛好家Yさんから、再び達筆のお便りをいただきました。
「知人から苗を譲り受けたヒュウガトウキが大きく育ったので、見に来ませんか?」


祝!白寿
5月3日、私と薬膳チームリーダーのR先生とともに、ご自宅をご訪問させていただきました。
Yさんは齢99歳。先月、白寿のお祝いをされたばかりで、お部屋にはお祝いの胡蝶蘭がきれいに飾られていました。
独り暮らしで、炊事、洗濯、身の回りのことはすべてご自身でこなされているとのこと。
すごいですね。
これも薬草の力でしょうか。
アカザをスプラウトでサラダにするほか、フキ、ドクダミ、アロエなど様々や薬草を日々の暮らしに取り入れておられました。
何事にも興味をもって行動すること。
それもまた、ご長寿の秘訣だと感じました。
私もこのようにありたいものです。
ヒュウガトウキを拝見
さて、ヒュウガトウキですが、庭の一角に活き活きと葉を広げていました。

知人から苗を譲り受けたとのことで、正確にヒュウガトウキかどうかは鑑別を要すると思われます。
ヒュウガトウキAngelica furcijuga(syn. A. tenuisecta var. furcijuga) はセリ科の多年草。
宮崎県央~大分県南部に分布し、宮崎で発見されたので、「ヒュウガ」の名を冠していて、「日本山人参」の名でも流通します。
観察ポイントは以下の通り。
ヒュウガトウキの鑑別点
● 茎
- 無毛で光沢があり、縦に走るスジがある。
● 葉
- 1〜3 回枝分かれする羽状複葉で互生。
- 葉柄は葉鞘に広がる。
● 小葉
- 卵形~長楕円形~披針形
- 深く3裂するものが多い。
- 縁にするどい鋸歯がある。
- 先は尾状に伸びて尖る。
- 両面とも無毛〜ほぼ無毛。
●花
- 5–15 cmの散形花序。花弁ははじめ緑色〜赤味を帯び、のちに白色。
- 花序の付け根に細い糸のようなヒゲ(小総苞)が何本も伸び、しばしば 曲がる。
● 果実
大橋広好 他,2021,日本の野生植物2 フィールド版,平凡社,p.604
- 果実(分果)の背中にあるスジが 2~3 本と少ない(近縁種ではふつう5本)
北川政夫,1971,植物研究雑誌46,286–288
北川政夫,1973,植物研究雑誌48,235–236
茎や葉の特徴は一致
拝見しましたが、葉や茎の特徴はよく一致していました。
ヒュウガトウキの可能性が高いと思いますが、やはり果実や花(小総苞)を観察しないと断定はできません。


花が咲いて実を結んだら、またご連絡いただくようお願い申し上げました。
薬草談義、そして暮らしの話へ
お庭の薬草を観察した後、自家製の糠漬けやきゃらぶきをお茶うけにご馳走になりました。

薬草のスクラップ記事を見せていただきながらの薬草談義。
やがて話は、戦時中の記憶や日々の暮らしへと広がっていきます。
とても99歳とは思えない記憶力と軽妙な語り口。
一つ一つの言葉が前向きで、たいへん元気をいただきました。
最後に、
「薬草の話ができる人が少なくなってきてね。来てくれてうれしい。」
と、おっしゃいました。
またお伺いすることをお約束して、Yさん宅を後にしました。
花咲く庭で
やはり、薬草に親しむ暮らしは、
学び、栽培、収穫、加工、活用——
日々の中に自然と営みが生まれ、自分自身の健康へと循環します。
だからこそ、心も体も、しっかりと保たれるのかもしれません。
また、戦争の話の中で語られた言葉が、強く印象に残りました。
今は飽食の時代だけど、いつかきっと食料や物資に困る時が来る。
戦前から戦中にかけて外地で職務につかれていた経験から、そう語られていました。
質素に暮らし、物を大切にしなければいけないと。
平和は尊いけれど、それが永遠とは限らない。
だからこそ、
生き残る術としての薬草の知識は、持っていて損はない——
そんなことを、あらためて感じました。
Yさん、どうかいつまでもお元気で。
またお話を聞かせてください(^^♪
本日の一首。
忘れえぬ
集い語らん
百歳の
ヒュウガトウキの
花咲く庭で
みちを


